主な症状

  • 膝がこわばる
  • 立ち上がるときや歩き出すときに膝が痛い
  • 階段を降りるときに膝が痛い
  • 正座が困難
  • 膝に水がたまっている

変形性膝関節症の原因

肥満や筋肉の衰えが根本的な原因

「日本人の10人に1人は患っている」と言われる、変形性膝関節症。加齢や肥満、筋肉の衰え、O脚やX脚などが一次的な原因と考えられています。また、男女比が1:4と女性に多く、女性ホルモンやハイヒールでの生活の関与も疑われる疾患です。
二次的なものとしては、骨折やねん挫、半月板損傷などの外傷や病気の影響があげられます。

関節内の炎症、そして膝軟骨の破壊

膝関節への負担が増して関節内に炎症が起こると、軟骨を分解する酵素が発生。結果、軟骨が破壊され関節がスムーズに動かなくなり、痛みを感じるようになるのです。さらに進行すると、骨が露出して部分的に削れてしまうため、脚がまっすぐ伸びなくなったり、歩行が困難になります。

変形性膝関節症の分類

変形性膝関節症の診断は、X線撮影、関節液検査、MRI検査、血液検査などによって行われます。加えて用いられるのが、下記のKellgren-Lawrence分類(K-L分類)という4段階のグレード評価。グレード2以上が、変形性膝関節症と定義されています。

Kellgren-Lawrence分類(K-L分類)

Grade 1

変形性膝関節症の予備軍となる膝。
関節の隙間に狭まりはないが、わずかに骨棘※1の形成、もしくは軟骨下の骨硬化※2が見られる。

Grade 2

変形性膝関節症の初期の膝。
関節の隙間の狭まり(25%以下)と微小な骨棘の形成が確認できるが、骨の変形はまだ見られない。

Grade 3

変形性膝関節症の中期の膝。
関節の隙間が50〜70%狭小し、骨棘形成が認められる。また、骨硬化も確認できる。

Grade 4

変形性膝関節症の後期の膝。
関節の隙間を75%以上失い、完全になくなった箇所も見られる。大きな骨棘など、骨の変形が著しい状態。

出典:「RADIOLOGICAL ASSESSMENT OF OSTEO-ARTHROSIS」(J. H. KELLGREN / J. S. LAWRENCE)
※1 骨棘:こつきょく。骨の縁にトゲのような変形が生じること。
※2 骨硬化:骨同士がぶつかり合い、硬くなっている状態。X線画像ではより白く映る。

変形性膝関節症の治療法・手術

変形性膝関節症の進行具合によっても治療法は異なりますが、下記のような方法が一般的です。

保存療法

消炎鎮痛剤の服用 / 塗り薬 湿布 / 運動療法 / 膝サポーター OAブレース / ヒアルロン酸注射

手術療法

骨切り術 / 関節鏡手術 / 人工関節置換術